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カンガエルーレポート
子どもの食物アレルギー講座
食物アレルギーの正しい情報や知識を学び、安全で楽しい食事を
2014年11月16日日曜日、松山市保健所・消防合同庁舎で、小児アレルギー科の福岡 圭介 先生を迎え「正しく知ろう!子どもの食物アレルギー」と題した講演が行われました。この講演会は、テレビや雑誌、インターネットなどで様々な情報が飛び交い、どの情報を信じればいいのかわからないといった中で、食物アレルギーに関する正しい情報や知識を学び、食物アレルギーで悩む方々が、安全かつ健康に配慮した楽しい食事ができるようにすることを目的として毎年開催されています。
参加者は、主にアレルギーのお子様をお持ちのお母さん、保育園の先生、子育て相談窓口の相談員の方、栄養士の方などでしたが、中にはレストランを経営されている方もいて関心の高さに驚きました。
食物アレルギーがある子どもと、その家族の食のQOLを考える
はじめは、現在の食物アレルギーの発症率やアレルギーを起こす原因食物を年齢別で教えていただき、続いて食物アレルギーで子どもが命を落とすようなことがないよう、食物アレルギーの症状と重症度、症状が出たときの対応方法を教えていただきました。
食物アレルギーの治療法について、以前は完全除去を行っていたが、今は比較的治りやすく食生活に直結した食材から、病院で経口負荷試験を行い、症状が出現しない安全な範囲の量を食事に取り入れることで家庭の食のQOLの向上、将来的には耐性獲得(通常量が食べられるようになること)を目指していることを学びました。また、予防的除去についても、最近では授乳中の母親の食事制限や離乳食開始を遅らせることなどは、かえってアレルギーになりやすいことが研究でわかり推奨されていないことを教えていただきました。
質疑応答では「経口試験を始めるタイミングはいつがいいですか?」「血液検査結果がよくないと経口試験がはじめられないのですか?」「今使っているお薬はあっていますか?」などといった治療法に関する質問がお母さん方からありました。
最後は、座談会で食物アレルギーに関する情報交換が行われました。
講師の方より一言
病院で経口負荷試験を受けて食のQOL向上を
日本小児科学会認定専門医 日本アレルギー学会認定専門医
福岡小児科アレルギー科 院長 福岡 圭介 先生
どのくらいの量を食べると症状が出るのか、どういう調理法なら食べられるのか、経口試験を受けて安全な量や調理法を確認して、今まで除去していた食品を食事に取り入れることでお子様と家庭の食生活を豊かにすることができますので、一度病院に相談してみてください。また、松山市は全国に先駆けてかかりつけの診療所と病院が連携していて、病院でアレルギーの負荷試験を行い、結果を診療所に報告し、患者さんは診療所で風邪の治療や予防接種など通常の診療が受けられるようになっています。
参加者の声
- アレルギーに対するストレスが減りました。今までの考えだけではなく、新しい考えを取り入れアレルギーに向かっていこうと思います。本当に来て良かったです。ありがとうございました。
- アレルギー歴7年の子どもがいるので、アレルギーのことはだいだい分かっているつもりでしたが、今回参加して今まで気にしていなかった内容もあり、とても勉強になりました。とても少量でも重篤な症状が出る患者さんもいることに驚きました。除去するとかえって悪化しやすく、少しずつ食べさせて慣れるようにすると食べられるようになると知り、アレルギー治療に対する考え方が変わりました。
- アレルギー基礎知識や、最新のアレルギーについての情報を知ることができ、とても勉強になりました。アレルギーの食品表示は表示義務がないものもあるため、新しい食品を使用する際には注意が必要だと感じました。
- 子どもが食物アレルギーになり、一人で不安になっていたので、この講座を聞き、かなり不安を取り除くことができました。
- 現在、幼稚園で満3才児クラスの担任をしていますが、自クラスには乳製品アレルギー、他クラスには卵アレルギーと小麦アレルギーの子がいます。今後の保育において、症状が出た場合の対応や、日々注意すべき点をしっかり頭に入れ、保護者とも連絡を密にして子どもが安全に楽しく過ごせるようにしたいと思います。
- 現在、幼稚園教諭をしており、食物アレルギーのある子どもの担任をしています。今までは保護者の方が言われたことと、園ではやはり完全除去を…ということで話していますが、今日の講演を聞いて少し考え方が変わりました。子どもたちが将来豊かな食生活を送っていけるような関わりや、保護者の方との共通意識をもっていけるようにしていきたいと思います。
- 分かりやすく説明していただけ、参考になりました。アレルギー児の子育て真最中のママさんたちの不安や一生懸命な姿に胸がいっぱいになりました。正しい情報をもっともっと流してほしいです。