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カンガエルーレポート
サマー!エコキッズスクール
「脱炭素を体験しよう~エネルギー実験&ソーラークッカーでポップコーンづくり~」
2024年8月21日水曜日、公益社団法人 愛媛県浄化槽協会でサマー!エコキッズスクール「脱炭素を体験しよう~エネルギー実験&ソーラークッカーでポップコーンづくり~」が開催されました。
当日は14名が参加し、発電実験や電気自動車(EV)の試乗体験などを行いました。
脱炭素社会を実現するには
まず、「脱炭素」についての講義がありました。脱炭素とは、⼆酸化炭素を含む温室効果ガスの排出を差し引きゼロにする取り組みのことで、日本は2050年までに脱炭素社会の実現を目指すことを宣言しています。現在、温室効果ガスの排出量は吸収量よりも多いです。そのため、大気中に排出された温室効果ガスが温暖化の原因になっていると言われ、気候変動やさまざまなリスクが懸念されています。気候変動によるリスクを避けるために、国、企業、生活者がひとつになって早めに対策していくことの大切さを学びました。
体験を通して脱炭素を学ぼう
その後は、班に分かれて脱炭素につながるさまざまな体験を行いました。
屋外では、ソーラークッカーによるポップコーンづくりが行われました。ソーラークッカーは、反射板で自然エネルギーである太陽光を一点に集めて調理します。フライパンの中で「ポン、ポン」とコーンの弾ける音がしたらできあがりです。参加者たちは出来上がったポップコーンをおいしそうに頬張っていました。
発電実験では、風や太陽の力を使って発電する再生可能エネルギーについてや温度差や振動で発電する未来の発電方法に触れることが出来るたくさんの実験道具が用意されており、振動を与えて発電させたり、うちわであおぎ、モーターを回して発電させたりするなど、⼦どもたちも楽しみながら実験に参加していました。
電気自動車の試乗では、日産自動車のSAKURAに乗車し、スムースな発進や静かな走りを体感しました。
同時に電気自動車についての講義も行われました。例えばガソリン車、ハイブリッド車、電気自動車の1㎞あたりの燃費を比較すると、ガソリン車は約7円、ハイブリッド車は約4円、電気自動車は約3.5円で、環境だけでなくお財布にもやさしいことが分かりました。その他、「環境・安全・未来のクルマ」について描かれたアニメも鑑賞し、理解を深めていました。
参加者インタビュー
- 発電の方法や電気自動車とガソリン車の違いが分かりました。
- 自然エネルギーについて学べました。実験が楽しかったです。
- 自然エネルギーのことを学べて、実際に実験もできてよかったです。ポップコーンが太陽の力ではじけたことにも感動しました。
- エネルギーの逆転と自然エネルギーを学べてよかったです。実験の時、うちわであおいでモーターを回すのが難しかったです。ソーラーカーの実験で、ライトをつけると小さな車が動いてすごいなと思いました。
- SAKURAに乗ってみて、とても静かに走るのですごいなと思いました。ソーラークッカーのポップコーン作りも楽しかったです。
- 電気の力だけでなく、太陽の力でポップコーンを作ったりできることが分かりました。また未来の車は、今の努力によってできることも分かりました。電気自動車にも乗れてよかったです。
- エネルギーの仕組みについて学び、省エネが大切だということが分かりました。かき氷を作る実験が楽しかったです。
- ソーラークッカーでポップコーンを作ったのが楽しかったです。またこのままのペースで人類が天然資源を消費し続けると、地球が3個必要だということも分かりました。
- 電気自動車はガソリン車と比べて、静かでエコなことが分かりました。
- ソーラークッカーで太陽光を集めて、調理できることが分かりました。SAKURAに試乗できたのもよかったです。
- エネルギーの実験がすごくおもしろかったです。また、ガソリン車よりも電気自動車の方が、歴史が長いと知ってびっくりしました。
- 温度差や風力で発電するなど、学校では学べないことを学べてよかったです。電気自動車の仕組みをもっと知りたかったです。
- 太陽の力でポップコーンやベーコンが焼けることを知れてよかったです。アニメを観たのが楽しかったです。
- 電気自動車は静かなことが分かりました。太陽の力でポップコーンが作れておもしろいなと思いました。
- 脱炭素について学ぶよい機会になったと思います。家族みんなで脱炭素を意識して生活できればと思います。(保護者)
- 体験を通して子どもたちに電力の大切さを伝えてもらえてよかったです。(保護者)
講師から
愛媛県地球温暖化防止活動推進センター
(公益社団法人 愛媛県浄化槽協会)
山中 三沙貴さん
今回のサマー!エコキッズスクールでは、脱炭素のことを子どもたちにもっと知ってもらいたいと思い、脱炭素に関して得意分野をお持ちの愛媛県地球温暖化防止活動推進員の皆さまにお声掛けをして、ワークショップを企画しました。
子どもたちには、この体験をきっかけに、自分でできることに取り組んでほしいし、周りにも伝えていってほしいと思っています。「太陽の力ってすごいよ」「EV車に乗ってみたよ」など、学んだことを家庭、学校などで伝えて、大人も巻き込んでいってもらいたいと考えています。それがきっかけとなり、「太陽光発電をつけてみよう」「次の車はEVにしよう」といった脱炭素の輪が広がっていくのではないかと思います。
その場での体験が大きければ大きいほど、今後に与える影響も大きくなります。そのため、これからもワークショップの開催を通じて、多くの人が自分の日常を見直したり、行動に移したりするきっかけづくりの場を提供していきたいです。
主催者から
松山市環境部 環境モデル都市推進課
まつやまRe・再来館(りっくる)
主事
森田 馨水さん
環境活動を積極的に行う子どもたちを育成するため、毎年、夏休み中に松山市内の小学校に通学している4年生から6年生を対象に「サマー!エコキッズスクール」を開催しています。今年も松山市内の企業、団体等を講師に、ごみ減量・リサイクルや省エネ・脱炭素のほか自然など幅広いテーマで実験や工作、施設の見学など体験型の教室を実施しました。
体験しながら学ぶことで、まずは、子どもたちに環境について興味や関心を持ってもらいたい、身近に感じてほしいと思いますし、将来に向けては、環境問題の解決向けて自らが積極的に行動できるきっかけになればと思います。
今回は、発電実験などの体験や電気自動車への試乗を通して、脱炭素について楽しく学べたのではないかと思います。講師の方々のお話にもあったように、日常のひとつひとつの選択が、地球の未来を変えることに繋がります。今回の講座が、お友だちやご家族の方々と、地球を守るために何ができるか考え、意識を高める機会になればうれしく思います。