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カンガエルーレポート

一嘗三嘆・親子でつくる松山鮓

2018年2月24日土曜日、松山市公設水産地方卸売市場2階調理室で「子規・漱石生誕150年記念 一嘗三嘆(いっしょうさんたん)親子で作る松山鮓(まつやまずし)」が開催されました。
愛媛調理製菓専門学校相談役の増田昭さんを講師に迎え、鯛のさばき方や美味しく作るコツなどを教えてもらいながら、「松山鮓」「鯛の潮汁」「瀬戸内鯛の揚げ出し」の三品に挑戦しました。小学生とその保護者を対象に行われ、当日は小学2年生から6年生までの子ども8名と保護者5名の5組13名が参加。初めてまるごと一尾の鯛を触る子どもが多く、少し切りにくい鯛の身に苦戦しながらも三枚におろすなど、保護者と一緒に楽しみながら作り上げました。

一嘗三嘆(いっしょうさんたん)とは

最初に、一嘗三嘆について話がありました。松山市の俳人・正岡子規が作ったと思われる造語で、「一口食べると、何度も感動するほど美味しい。」という意味があり、子規が友人に宛てた書簡で鯛料理を紹介する際に使っています。また、他にも松山の鯛料理を自慢している俳句や書簡が数多くあり、子規が瀬戸の鯛や鮓などを好んでいたと言われています。

鯛のおろし方を知ろう!

料理を始める前に、鯛のおろし方と料理方法を講師の増田さんが説明していきます。事前に下処理された鯛を、ヒレに沿って出刃包丁を入れ、頭を切り落とします。潮汁用の頭の部分などは塩をふり、10分ほど置いておきます。その間に、骨に沿って包丁を入れ3枚におろし、刺身用と唐揚げ用にわけていきます。鯛の身は少し切りにくく、「包丁を引いて戻す、を繰り返すと切りやすい」とポイントを教えてもらいました。

次は自分たちで料理をしていこう!

一通りの説明を聞いた後、料理に取りかかります。大きな鯛の持ち方を教わり、テーブルに運びます。初めて魚を触る子どももいて、おそるおそると運んでいる姿も見られました。保護者の方も鯛のような大きな魚をさばくのは初めてで、講師に教わり、またそれを子どもに伝え、一緒に料理していました。

まずは、塩をふって寝かしておいた潮汁用の鯛を熱湯にくぐらせて、水でしっかり洗い血合いを取ります。この時、血合いをきちんと取ることがポイントです。唐揚げ用は片栗粉をまぶし、刺身用はタレにつけこみます。
次に野菜を切っていきます。ナス・パプリカ・カボチャ・さつまいもを切り、軽く素揚げします。「旬の野菜を使うと美味しくいただけるよ」とアドバイスがありました。そして唐揚げ用の鯛を揚げ、潮汁の出汁で豆腐に熱を通すと料理は完成です。
最後に、彩りなどを考えながら盛り付けをしていきます。揚げ物には土佐酢をベースとした黒色の餡と甘めのお酢で作った白色の餡をかけ、ちらし寿司の上にはタレを絡ませた鯛・あなご・タコ・錦糸卵・エビ・さやえんどうを盛り付けて完成です。
完成した料理をみんなで味わいます。盛り付け方は、それぞれ個性があるものに仕上がっていました。「美味しいね。」と笑顔をこぼしながら、楽しく食べました。

講師から

増田 昭さん

愛媛調理製菓専門学校
相談役 増田 昭さん

瀬戸内の気候が育てた海や山の旬の素材を幼いころから食べることによって、体にとても優しく、美味しく味わえます。また醤油やお酒などで味付けをする日本料理は、その素材が持つ味を活かすことができ、旨味や辛味などを知ることができます。
豊かな時代となり、なんでも簡単に手に入るようになりました。古き良き時代の日本文化が失われつつある中で、食を通して親の味や愛情、命の尊さ、四季や彩りなどを、親から子へ受け継いでいってほしいと願っています。
このようなイベントに参加することは「挑む」ということであり、それはとても素晴らしいことです。美味しい物を食べて、料理も素材も好きになってほしいと思います。

主催者から

片岡 泰広さん

松山市産業経済部 市場管理課
主幹 片岡 泰広さん

「子規・漱石生誕150年記念 一嘗三嘆親子で作る松山鮓」は、正岡子規・夏目漱石生誕150年を記念して2017年から始まり、今回2回目になります。生産量日本一を誇る鯛を使った郷土料理を味わうことで、魚を食べる習慣や松山の郷土料理を知ってもらうきっかけにしてもらおうと企画しています。
また、子どもだけではなく保護者と一緒に参加することで魚に親しんでもらい、親子で一緒に作ることで、食を通した愛情を育んでほしいと思います。
最初は慣れない手つきでしたが、だんだんと楽しみながら魚料理に挑戦していく姿を見て、今後も料理教室を開きたいと思っています。

参加者の声

【お子さん】
  • 普段はほとんどできない鯛をさばくことができて楽しかったし、自分で作った料理はすごくおいしかったので、また参加したいと思いました。松山の郷土料理を知ることができて、良かったです。
  • さつまいもが固かったですが、おいしかったです。鯛の身を切るときに、手を切りそうになりました。「鯛の鯛」を見つけることができました。
  • 鯛はかたく、でも切ること時にコリコリといい音がしていました。鯛は「秋・春はおいしく、産卵を終えた夏は身が細っていてる」と先生が教えてくれて魚にも旬があったこと、また鯛は三津にとって大切な魚で、魚の王様であることも知りました。先生はとても優しくおもしろく、なんでも知っていました。
    料理は家でほとんどしないし、初めて鯛料理をしてとてもいい経験になりました。もし次回さばくことがあったら、この経験をいかし、また他にもサバやマグロなどをさばいてみたいと思いました。自分で作ると、食べたときに一味違っておいしかったし、このイベントに参加してみたいです。
  • 自分で作ったからなのか、とてもおいしかったです。
  • 初めて魚をさばいたり、油であげたり、野菜を切ったりと、楽しかったです。また料理もおいしかったです。
  • とても楽しく、おいしかったです。勉強になったので、家でも作りたいです。ありがとうございました。
  • 鯛の体のしくみも知ることができて、とてもおいしい料理を食べられてよかったです。ふなやの先生と矢野産婦人科の料理長の人が来てくれて教えてくれたおかげです。
  • 楽しく、おいしかったです。また来たいです。ありがとうございました。
【保護者】
  • 鯛を丸々一尾おろすのは初めてでしたが、ポイントを教えてもらいとても勉強になりました。子どもにとって、貴重な体験になったと思います。とてもおいしかったです。ごちそうさまでした。
  • 家庭でも一緒にお菓子や料理を作って親子で触れ合う機会を作るように意識をしていますが、本日のようなイベントでプロの先生に教わりながら、親・子共に新しいメニューにチャレンジできて、普段とは違った“きずな”を作る機会となりました。
    郷土料理ですが、普段の家族の食生活についても考える機会となりました。美味しく贅沢なお食事をありがとうございました。
  • プロの料理人が優しく丁寧にサポートしてくださったので、料理が苦手な私も安心して参加することができました。鯛を初めてさばき、良い経験になりました。普段子どもたちと一緒に料理をする機会がない中、今日は素敵な機会をいただきました。
    一緒に作って、食べて、片づけをすることで親子の仲が深まり、食に対する理解も深まりました。他の魚でも家で挑戦したいと思います。今日はありがとうございました。
  • 子どもが魚をさばくのは初めてだったので、良い経験ができました。汁物もすごくおいしくて、初めて松山鮓を食べましたが、色とりどりできれいでおいしかったです。
    鯛の揚げ出しは、酢の効き具合が好みでとてもおいしくいただきました。ひなまつりの日に、松山鮓を作ってみようと思います。
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