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カンガエルーレポート

教会子ども食堂

年々、子ども食堂の需要が高まっています。子ども食堂とは、無料または低価格で子どもたちに食事を提供する場所であるとともに、子どもたちが地域の人たちと交流しながら、安心して過ごす居場所の1つです。現在、松山市には10ヵ所以上の子ども食堂があり、地域のボランティアやNPOなどによって運営されています。

今回は2021年10月29日金曜日に行われた、松山市祓川にある日本基督(キリスト)教団 三津教会の「第31回 教会子ども食堂」の様子をお伝えします。
お弁当の販売、引き換えだけでなく、教会内にはフードパントリーや衣料など寄付品を自由に受け取れるコーナーもありました。子ども向けの出し物も行われ、教会内は和やかな雰囲気に包まれていました。

たくさんの愛がつまった手作り弁当

毎月最終金曜日に行われている「教会子ども食堂」。午後5時30分の開店に合わせ、午後1時からボランティアスタッフの皆さんによる準備が始まりました。当日、集まったスタッフは23人。教会員、松山東雲中高YWCA部の学生、子ども食堂を始めたいと思っている方など境遇も年齢もさまざまです。調理スタッフ以外にも、会場やイベントの準備をする人など、一人ひとりが力を発揮しながら作業を進めていました。

この日のメニューは「豚のしょうが焼き、ウインナー、マカロニサラダ、ゆで卵、プリン」。150食分のお弁当を協力しながら作っていきます。

まずは、しょうがのすりおろし、キャベツの千切りなど材料の下準備に取りかかります。下準備を終えた食材は大量で、テーブルいっぱいに並べられています。
下準備のあとは、調理に入ります。炊きたてアツアツの白ごはんを取り出したり、豚のしょうが焼きを焼いたり、マカロニサラダを作ったりと、スタッフの皆さんはそれぞれ役割分担をして行っていました。

午後3時、まかないを食べながらひと休みします。この日のまかないは、久万高原町の農家から寄付してもらった新米のおにぎりです。モチモチとした食感にスタッフの皆さんも感動している様子でした。この新米ごはんをお弁当に入れることも伝えられました。

休憩をはさんで、後半は時間との戦いです。途中から、学校終わりに駆けつけた高校生も作業を手伝っていました。料理をお弁当箱に詰めていく作業が中心となります。まずはご飯を入れ、そのあと、一品ずつ、おかずを入れていきます。足りなくなったり、余り過ぎたりしないように調整しながら進めます。最終チェックでおかずの入れ忘れがないか確認をしたあと、お弁当箱のフタをしてできあがりです。

イベントとしても楽しめる子ども食堂

開店の時間になると、仕事帰りのお母さん、小さなお子さんやランドセルを背負った学校帰りの小学生などが次々と訪れはじめました。受付でお弁当引換券を受け取り、検温を済ませて、教会内に入ります。お弁当を受け取ったあとは、寄付してもらった食品が並ぶフードパントリー、生産者の方たちからいただいた野菜やお米、衣料品や生活雑貨コーナーを見て回っていました。その他、子ども向けに駄菓子コーナーや、腹話術などの出し物もあり、盛り上がりを見せていました。子ども食堂として、お弁当を提供するだけでなく、お客さんもスタッフも月に一度のイベントとして楽しんでいる姿が印象的でした。

主催者から

森分 望さん

日本基督教団 三津教会 牧師
教会子ども食堂 代表
えひめフードバンク愛顔中予事務局
森分 望さん

子ども食堂を開きたいと思ったのは2013年のことです。三津教会は戦前、困っている子どもたちのために保育園をつくったという歴史のある教会でもあります。困窮や孤立など困っている方がいることを知って、その方たちのために何かできないだろうかと考えていました。時間をかけて教会内で話し合いを重ね、教会員さんたちの協力を得て、2019年に第1回の「教会子ども食堂」を開店することができました。最初は、献金していただいたお金を食材費にあてていましたが、次第に協力してくださる方も増えて、今では農家の方から食材をいただくことも多くなりました。

また昨年から、えひめフードバンク愛顔の中予地区の拠点としても活動しています。必要な方に、もっとたくさん提供したいという思いからです。企業にも協力してもらい、今年だけでもすでに7トンの食品が集まりました。集まった食品は、他の子ども食堂や福祉施設などにもお渡ししています。

子ども食堂は、みんなが楽しめる場所です。「たまには手作りのお弁当を食べようかな」「子どもと一緒にイベントを楽しみたいな」そのような軽い気持ちで、足を運んでもらえればと思っています。

三津教会フェイスブック(外部リンク)

子ども食堂(外部リンク[松山市ホームページ])

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